kkamegawa's weblog

Visual Studio,TFS,ALM,VSTS,DevOps関係のことについていろいろと書いていきます。Google Analyticsで解析を行っています

Windows Server Summit 2024で発表されたWindows Server 2025注目の新機能

先日、Windows Server Summit 2024が開催されました。録画はもう公開されています。

techcommunity.microsoft.com

Windows Server 2019, 2022はおとなしめ(?)の更新だったからか、2025はかなりアグレッシブに見えます。多くはIgniteでも発表されていましたが、個人的な注目ポイント。

正式名称はWindows Server 2025

今年末にかけて正式リリースされるようです。Azure以外でもHotPatchが正式に提供される最初のバージョンになりそう。Arc-Enabledで使えるのかな。HotPatch技術そのものは古くWindows Serve 2003 SP1から使えていたはずなのですが、ようやく日の目を見るという感じですかね。

ただし、あくまでもOSコンポーネントだけで.NET Frameworkは対象外だそうです。HotpatchはXboxのサービスでも使われているそうです。

Active Directory

今まで機能レベル2016だったのがジャンプアップ。

  • ページサイズが8KBから32KBで64bitのIDへ
  • 既存のドメインコントローラーを更新した場合8Kページのまま
  • 32Kにするにはフォレスト内すべてのドメインコントローラーを更新しなくてはならない
  • LDAPでは署名必須
  • NUMAサポート

…更新の順番どうするんだ?NUMAまで使うって、そこまで巨大なドメインコントローラーを使う話はちょっと自分では扱ったことないのですが、必要なケースもあるのでしょう。Defender for Identityのセンサーもそこそこ性能使いますしね。

Kerberosも強化。NTLM廃止に向けてLocal KDC やIAKerbもサポートされます。

NVMe強化

OS更新するだけでNVMeが70%向上は素晴らしい。正式リリースまでには90%向上くらいまで上げるのだそうです。Azure Stack HCIで得たノウハウがLTSCにも導入されるということで、今後はStack HCIで磨いてLTSCで提供ということになるんでしょうかね。

GPUパーティショニング

今まで1:1しかGPU割り当てできなかったのが1:nにできるのだそうです。これは高密度のオンプレミスVDIがはかどりますね。VMwareなどではできていたので、競合に追いつく形ですね。

Windows Container

ちょいちょい話は聞くんですよね。英語以外のベースイメージほしい。コンテナーで使いたい人って大体日本語依存の処理(C / C++)していて、英語のベースイメージでは動かないーという話を聞くのです。

ベースイメージの削減もはかどっているそうです。

ファイルサーバー

QUICをSMBで使うのだそうです。VPNが不要になる、443/tcpが使える、常時暗号化される、TLS 1.3サポートといったあたりがメリット。すべてのエディションで有効。

SMBでNTLMの認証をオフにできるオプションも提供されるのだそうです。ちょっと試してみたい。

WinGet提供

待ってましたよ。ほかのものもいいのだけど、Windows clientで使っていてServerで使えないのは困るのです。特にWindows LTSCでもサポートしたわけですし。とはいえ、割と頻繁に更新されるApp InstallerがWindows Serverでちゃんと更新されていくのかが注目です。

組織内やプロジェクトでWinGetサーバーを立てたら構成管理が楽になりそうです。あと、Windows ServerのGitHub Action/Azure Pipelinesイメージ作成にも便利ですね。

Wi-Fiサポート

今までWindows ServerはWi-Fiサポートしていませんでしたが、サポートするのだそうです。エッジロケーションで動く環境では必要ですしね。どのモジュールがサポートされるかはわかりませんが、NUCなどではWiFiモジュールが無駄になっていたのが使えるようになるとvPro対応のNUCを目を皿のようにして探さなくてもよくなるのかもしれません。

Windowsのin-place upgradeもWindows Updateから

これはびっくりです。特にN-4サポート(Windows Server 2012 R2から2025へ移行可能)というのも。せいぜいN-2くらいだと思っていました。日本以外の世界でもそうだと思うのですが、OEMのメディアを使っている場合、キーが必要になるようで、そこで止まるようです。短い時間で更新~とか言っていたように見えますが、今自分の検証環境は5-6時間単位でかかっています。ほんとに短くなるのか試してみたい。

Arc-Enabledサーバーの場合、自動的に2025へ更新されても困るのでそういう時はコントロールする必要があるようです。PAY-AS-YOU-GOで買うSQL Server と同じ方式のようですね。一時的にオンプレミスのホストでVMを使いたいときとかホストOSに無理にDatacenterを買う必要がなくなるとかライセンスメリットがありそうです。

最後に

久しぶりに大型の更新になってリリースが楽しみです。Insiderも提供されているので、気になる人は試してみましょう。詳細は個別セッションで語られているので、そちらもご参考に。