kkamegawa's weblog

Visual Studio,TFS,ALM,VSTS,DevOps関係のことについていろいろと書いていきます。Google Analyticsで解析を行っています

VSTSでASP.NET CoreアプリのCI/CDを行う

はじめに

以前、VSTSとAzure App ServivesのCI/CDの話を書きました。

kkamegawa.hatenablog.jp

今はちょっとやり方が変わっているので、改めて紹介します。VSTSで書いていますが、基本はJenkinsやTFSでも変わりありません。

Build定義作成

VSTSのビルドテンプレートからVisual StudioもしくはASP.NET(Preview)を選んでください。

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dotnet restoreコマンドでもいいのですが、せっかくテンプレートに入っているNugetタスクを使います。重要なポイントとして、必ず、3.5以上を選択してください。ここでは4.0にしています。

NuGet 4.0はHosted VS2017であれば入っています。

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Visual Studioタスクで使用するVisual Studioを必ずVisual Studio 2017にします。

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Azure App Serviceへのデプロイにwebdeployを使うので、dotnet publishコマンドを使用します。引数に以下の値を指定します。

publish -c $(BuildConfiguration) -o $(Build.ArtifactStagingDirectory)

これで、ビルド構成(Release, Debugなど)でビルドした結果を -o で指定された出力先にコピーします。ArtifactStagingDirectoryでエージェントの中間生成領域です。

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WebDeployはzipファイルなので、ArtifactStagingDirectoryに出力した内容をzipファイルに圧縮します。

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生成されたzipファイルをリリース機能でデプロイするための領域にコピーします。

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Optionsの中にあるAgentsで必ずHosted VS2017を選んでください。これで準備完了です。

Release機能を使う

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リリース定義を作成し、App Serviceへのリリース用の環境を作ります。ここではJapan Westを作りました。

注意点として、Stagingスロットを作っていない場合、一度App Serviceをstopで止めてから入れ替えしないといけないようです。確かこれはASP.NET Coreのissueにも挙がっていた気がします。

止めて、デプロイしてから再度startタスクを実行します。容量にもよりますが、それなりに時間がかかるので、Staging作ってswapさせたほうがいいように思います。

成果物の受け渡しに関しては、以前の記事などを参照してください。

Global Azure BootCamp /w OzCode Kansaiを開催しました

Global Azure BootCamp

connpass.com

昨日の話ですが、Global Azure BootCamp /w OzCodeというイベントを開催しました。Global Azure BootCampとは年に一度この時期?に全世界同一日程でAzureのイベントをやろうというものです。今年はたまたまOzCode社の方がワールドツアーで来日されていたので、一緒のイベントとして実施しました。

global.azurebootcamp.net

私も余った時間…というか、時間が押してしまって予定のことがほとんどできませんでした…すいません。資料はこちらに置いています。

当日やるはずだったデモは録画なりフォローアップします。

OzCode

www.oz-code.jp

今回OzCodeのCTOであるOmer氏をはじめ、三名で世界各国を周ってプロモーションを行なっているそうです。日本でも東京、名古屋、大阪で開催されています。今日もう一度東京で実際されるようです。Omer氏自らによる解説は非常にわかりやすかったです。

Omer氏のキャリアは医療機器向けのエンジニアから始まっていて、デバッグに時間がかかっていることから、デバッグは心理学ではないか?と思い始めて、デバッグ拡張機能に注力を始めたそうです。

特に便利そうなのが、Switch〜Caseの分岐予測、パターンマッチにも対応しています。NULL referense発生する場所の色分け(結構困るんですよ)、LINQの対象条件の件数と内容抽出、メンバーをお気に入りにして、そのメンバーのみを専用のウォッチウィンドウに表示とExpressionでのカスタム表示などですね。

半年間有効なフリーライセンスのURLも提供していただいています。共有OKだそうです。一人ずつではなく、オフィスなら5人までだったかな?いいらしいです。

OSS開発者向けには無償で提供してくれるそうです。

www.oz-code.jp

当日の質疑応答から覚えている限りで。

C++/CLIも対応してる?

今の所C# に注力しているので、C#以外の対応は予定にないようです。

グラフィックスを扱っているけど、インラインでイメージデータを表示したい

残念ながらそういう機能はないそうですが、面白いねみたいにおっしゃってました。

メンバーのお気に入りは非常に便利だけど、AというメソッドとBというメソッドで違うメンバーをお気に入りにしたい

ないそうです…残念。

LINQは遅延評価だから、LINQデバッグ時に出ている件数は確定でないのでは?

その通り。そこは意識しておく必要があります。

ソースコードだけしかないプログラムのデバッグをしなければならなくなった、何かいい支援機能がある?

例えば、例外を起こした場合、その変数がどこで使われているか、ヒープから検索することができる。特定の変数であれば、トレースという機能を使って、追跡できます。

C#7みなさん使っていますか?(Omer氏)

OzCodeはC#7にも対応しているので、ValueTuple(英語では「トゥープル」みたいな発音するんですね)、パターンマッチ、outの変数宣言といった、Omer氏が気に入っているC# 7の新機能をOzCode使いながら紹介してくれました。

Hosted VS2017エージェントを使ってXamarinプロジェクトを継続的インテグレーションする

追加でこういう質問を受けたので、調べてみました。結論から言えばできます。もちろん、C# 7の機能を使っていても、対応するNuGetパッケージを入れていれば大丈夫です(一緒に生成されるライブラリプロジェクトに追加して確認)。

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一つだけ注意点として、NuGet Restoreタスクで使用するNuGetを明示的に3.5以上にしてください。ここでは4.0を指定していますが、Hosted VS2017であれば入っているので、大丈夫です。

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テンプレートから作っただけのXamarin.Formsアプリですが、こんな風にビルドできます。どうも"Visual Studio 2017"のHosted Agentなので、元からXamarinをはじめ、VS 2017に入っている機能は全部入っているようです。

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もう一つ、直接の問題ではありませんが、どうもHosted VS2017 AgentにはGit LFSが入っていないようです。フィードバックしていますので、そのうち治ると思います。

(2017/4/22更新)
4/19にVSTSの更新が入ったので、確認してみたところ、Hosted VS2017にGit LFS入ったようです。正しくビルドできました。

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C# 7.0のプロジェクトをVSTSで継続的インテグレーションする

前振り

という話があったので、ちょっと書いてみます。

C# 7.0プロジェクトを作る

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こんな風にC# 7.0の新機能であるタプルを書いてみます。

引用:ufcpp.net

もちろん素のVS2017ではエラーになるので、NuGetでValueTupleを追加します。

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ビルド定義作成

VSTSにプッシュしたら、VSTSのビルド定義を作ります。注意点は二つ。

  • Hosted AgentにVS2017を選ぶ
  • Visual Studio 2017を選択する。

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Visual Studio 2017を選びます。

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OptionsにあるエージェントからHosted VS2017を選びます。

ビルドしてみる

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Hosted VS 2017では成功します。

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普通のHosted Agentを選択すると失敗します。ちょっと前までVS2017というHosted Agentがなかったのですが、Side by Sideで動かすより、VS2017はしばしば更新されるから別にしたんでしょうかね。