kkamegawa's weblog

Visual Studio,TFS,ALM,VSTS,DevOps関係のことについていろいろと書いていきます。Google Analyticsで解析を行っています

Visual Studio Team Servicesで外部サービスを呼び出す(30日目 - 最終回)

はじめに

アドベントカレンダーの枠からはみ出して続けていたVSTSの機能全紹介もここでいったん区切りです(1/5の新機能が出ちゃったし)。VSTSは基本オールインワンですが、Web hookやREST APIを使って外部サービスを使用することもできます。

外部サービス呼び出しはチームプロジェクトごとの設定になります。

Azure Resource Manager Endpoint

やはり同じ会社のサービスということもあり、Azureはいろいろ優遇されています。

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今強化やデプロイは基本Azure Resource Managerのほうが多いので、こちらを選ぶと…

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こんな風に接続名とサブスクリプションを選ぶだけです。以前はMSアカウントでSPNを作る必要があり、はっきり言って、「これユーザーにやらせるのか」と思っていたのですが、便利になりました。

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Azure Classicで接続sるう場合…面倒ですね。通常はCertificate Basedを選んでAzureポータルから管理証明書をダウンロードするのですが面倒です。

GitHubへの接続

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GitHubでホストされているソースをVSTSでビルド、Release Managementで使用する場合に必要です。ここで設定しなくても、ビルドタスクの中でもできます。PATを使うか、ここでOAuthの認証をするか好きな方法が選択できます。どちらを使ってもGitHub側で無効にできます。

Jenkinsへの接続

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Jenkins連携も強化されてます。Jenkinsを選択すると、サーバURLとユーザー、パスワードを指定します。

SSHでの接続

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SSHを使用して特定のホストに接続します。LinuxのWebサーバなどへVSTSからデプロイする場合にこの接続を使います。

Subversion

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Git(Hub)同様に、外部ソースコードリポジトリにSubversionをサポートしています…一部のエンタープライズ向けにはいいんじゃないでしょうかね。

その他一般的な外部サービス

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サーバのURLとユーザー、PAT/パスワードで接続する外部サービスです。VSTSの拡張機能で提供されていないような外部サービス(Chatworkとかかな…)を使う場合使用します。

SonarQubeへの接続

Continuous Code Quality | SonarQube

最後は静的解析では有名なSonarQubeの紹介です。品質管理はSonarQubeに任せることにしたようで、最近強化が続けられています。有償版と無償版、さらにはLTSも提供されていますが、SonarQubeの強化と同期をとっているようなので、できればLTSではない、Currentを使ってください。ほぼ毎月のように更新されています。

つい先日公開された6.2でUIが結構変わってびっくりしています(6.0で変えなかったのに)。

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サービス一覧からSonarQubeを選択します。アクセスするユーザーでTokenを生成してください。Azureの仮想マシンで作る場合、AzureにSQL Serverを作ってもいいのですが、SQL Databaseもサポートされているので、SQL DatabaseにS0で作っています。遅くなったなと思ったら、SQL DatabaseをS1とかにすればいいでしょう。

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SonarQubeで解析する場合、ビルドタスクにPrepare the SonarQube analysisを追加します。注意点として、先日MSが提供するビルドタスクからSonarSourceが作ったビルドタスクに移行することになりました。

[DEPRECATED]がついているタスクは使わないでください。

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ビルドすると、こんな風に最後にDetailed SonarQube reportと表示されています。クリックすると、SonarQubeを呼び出して…

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こんな風にSonarQube側でプロジェクトが開かれます。

まとめ

VSTSの外部サービス連携は以前のService Hookと合わせて使えばいろいろ使えると思います。いいとこどりしてみてください。

ちょっと駆け足でしたが、VSTSの全機能を大体紹介したつもりです。Application Insightsとかも紹介したいなと思ったのですが…ほかにも漏れているところがあれば、また紹介します。では今年のアドベントカレンダーは…疲れたから別のやつにします(^^;。

実はもう一つだけネタがあったのですが、ちょっと間に合わなかったのでまた後で。

Visual Studio Team ServicesとAzure App Servicesの継続的デプロイメント(29日目)

はじめに

Azure App Servivesには二つデプロイ方法が用意されています。現在プレビューの継続的配信昨日はVSTS側に設定を行います。

更新のお知らせ

この記事のタスクはproject.jsonを使う古い.NET Core 1.0ベース(VS2015といってもいい)のやり方になっています。VS2017を使うやり方は別途書きましたので、そちらをみてください。

kkamegawa.hatenablog.jp

デプロイオプション

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今まであった、デプロイオプションはこんな感じで作れます。これはGitリポジトリのみサポートのようでGitリポジトリにコミットがあれば自動的にAzure App Services側にデプロイされます。

一切処理がない、静的コンテンツを配置するときに便利だと思います。VSTSのHosted Agentのビルド時間を消費しないのでお得です。

Azureの継続的配信(プレビュー)

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しかし、ASP.NET(Core)のデプロイするときは困るためかどうか知りませんが、継続的配信という機能が追加されました。Configureをクリックすると、設定が始まります。

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ソースリポジトリ、プロジェクト、ブランチを選択します。

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ASP.NETかASP.NET Coreかを選択します。注意点として、現時点においてVSTSのHosted AgentはASP.NET Core 1.1に対応していないので、1.0のプロジェクトである必要があります。

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負荷テストとApp Servicesのデプロイメントスロットを使っている場合はここで指定できます。

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これで完了です。左からリンクをクリックするとVSTS側のビルド定義の確認、リリース定義の確認、ビルド実行となります。

VSTS側の設定

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Azure側で作成した継続的配信はVSTS側でこんな風に既定のビルド定義が作成されます。TriggersタブにContinuous integrationオプションが設定されているので、リポジトリにコミットされるとAzure側へのデプロイが行われます。

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デプロイも設定されています。つまり、ビルド→リリースが自動的に行われます。Hosted Agentの時間もそれだけ使われます。

不要になった場合

不要になった場合、以下の手順で削除します。

  1. Azureポータルの継続的配信のdisconnectをクリックして削除する。
  2. VSTS側のリリース定義を削除する
  3. VSTS側のビルド定義を削除する

まとめ

Azureにデプロイする場合、VSTSからビルド定義を作るとちょっと手順が多いですが、Azure側から作成すると簡単にできますね。

Python 2.7.xをWindowsでビルドする

たまにしかやらないので、忘れてしまうから自分用にメモ。

(2017/9/28)Python2.7.14用に更新

必要なもの

  • Visual Studio 2008
  • Active Perl
  • TortoiseSVN(コマンドラインツールも必ずインストールします)
  • Git for Windows 2.10 (XP/2003をサポートする最後のGitのため)

OSはVisual Studio 2008がサポートされているものならいいはずです。XP世代のOSを使おうとすると、Active PerlとかTortoiseSVNは一世代以上古いものを入手する必要があります。64bit版のPythonをビルドする場合、ビルド後イベントで生成したPythonを実行するため、64bit OSを使うほうがいいでしょう。

MSがPython 2.7の拡張機能をビルドするために配布しているVisual C++ 2008コンパイラをPython自身のビルドに使えるかどうかはわかりません。

Download Microsoft Visual C++ Compiler for Python 2.7 from Official Microsoft Download Center

Gitインストール(9/28追記)

Pythonはいくつか外部のソース(OpenSSLやbzipなど)に依存しています。これらのソースコードはGitレポジトリで管理されているため、Git for Windowsをインストールします。

XP/2003を使ってビルドする場合、Git for Windows 2.10が最終版なので、これを使いましょう。もちろん最新版に比べてセキュリティの問題が多く入っているバージョンなので、使用時には気を付けて。

ソース入手

公式からダウンロードします。

www.python.org

注意点として、Pythonが依存している外部ライブラリ(OpenSSL,SQLiteなど)は含まれていません。ダウンロードにGitを使うようになったので、前述の手順で入れておきましょう。

ソースを展開してできた、Python-2.7.xxフォルダの下にPCBuildフォルダがあります。そのなかにget_externals.batというバッチファイルがあるので、実行します。依存しているライブラリのソースコードをSVN経由でとってきます。なので、TotoiseSVNインストール時にコマンドラインツールも必ず入れてください。

ビルド

Pythoon-2.7.xx\PCの下にVC6とかVC7.1とかあります。VS2008の場合、VS9.0フォルダに移動して、コマンドプロンプトからbuild.batを実行するだけです。標準ではWin32のReleaseビルドがVS9.0フォルダ内に生成されます。オプションをいくつか指定できます。

-c Debug:デバッグ版Pythonが生成されます
-p x64:64bit版Pythonが生成されます(32bit OSでもビルドできますが、最後にPython自身が実行できなくてエラーになります)
-t Rebuild:クリーンビルドします
-d -c Debugと同じ意味です
-e ビルド時にget_externals.batを自動的に実行して、依存しているライブラリをダウンロードします
-k 何らかのサービスなどでPythonをバックグラウンドで実行している場合、自動的に終了させます。

注意点として、DebugとReleaseで異なるフォルダに出力する、ということはやっていないようです。大体ファイル名が違う(デバッグ版は_dがつく)ので区別はできますが、後の作業がめんどくさいので、ビルド前にVS9.0フォルダもしくはamd64フォルダを複製しておくといいと思います。

Visual Studio Team ServiceのLibrary機能で複数の値を一括管理する(28日目)

はじめに

ユーザーIDやパスワードをリリース定義のスクリプトに埋め込まず、外部に定義したいことはよくあります。そういう時、Release ManagementではVariableに設定することで、複数のリリース環境に同じ値を使えます。

そういう時、関連した値をひとまとめに管理したいという要求もよくあります。まだリリースノートが出ていない機能ですが、Libraryはそういう時に役立ちます。

作成

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LibraryからAdd variable groupをクリックして、新規のグループを作成します。ユーザーとパスワード、DBへの接続文字列のように関連する値をグループとして管理しましょう。

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グループ名と、説明、追加したい名前と値を指定します。パスワードのように表示したくない場合は右端の鍵アイコンをクリックすれば秘密文字列として表示されません。

参照する

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リリース定義のVariablesにLink variable groupがあるので、クリックします。

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作成したVariable groupが表示されているので、Linkをクリックします。

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作成したVariable groupをリリース定義から参照可能になっています。もちろん、Variable groupは履歴管理されていて、誰が編集したか確認できます。

まとめ

関連する複数の値を外だしで一括管理できる新機能Libraryを紹介しました。便利だとは思うのですが、どうせならBuildとReleaseで共通に受け渡しできるといいなと思います。環境変数とかでBuildとReleaseで値を受け渡しできればいいのですが、今の所どうもできないようです。

この辺は将来に期待ですかね。