kkamegawa's weblog

Visual Studio,TFS,ALM,VSTS,DevOps関係のことについていろいろと書いていきます。Google Analyticsで解析を行っています

Office 365 PlannerとVSTSのタスク管理の使い分け

先日、Office 365のPlannerという機能が正式版になりました。VSTSをはじめとする、開発ツール系に組み込まれているタスク管理とどう使い分けるのか悩む人もいるんじゃないかな、と思います。こんな風に使うといいんじゃないでしょうか。

Office 365 Planner – チームの作業管理

blogs.technet.microsoft.com

Office 365 Planner

  • Office 365 の契約があれば使える(Enterprise E1 ~ E5、Business Essentials、Business Premium、Education)
  • 成果物は主にOfficeで作成されるようなドキュメント類を管理したい
  • 階層化された機能に基づくバックログ、要求事項ベースで「どうなったっけ?」という追跡を必要としない
  • 非開発者が使いたい
  • 割と短期間でチームを作成/解散して、タスクを管理したい
  • 特定の手順に縛られずに管理したい
  • Azure ADでメンバーの管理をしたい

VSTSなどの開発リポジトリと連携するタスク管理

  • 組織として、製品をリリースし、成功するために使う
  • 複数のチームと連携して階層化された機能リストやバックログに基づいて進捗を管理する
  • 主にソフトウェアを作り、リリースする
  • カンバンのように使いたい
  • ソースコードやリリースと連携させたい
  • MSアカウントおよびAzure AD両方で管理したい(どちらかでも可)
  • 無料で使いたい(5人まで)

Visual Studio Team Services 2016/6/1の更新

Visual Studio Team Servicesが6/1に更新されました。少し遅くなりましたが、リリースノートの参考訳です。オリジナルはこちらを読んでください。

2016-Jun-1 Release Notes | Visual Studio Team Services

今回の目玉として、Dockerをリリースパイプラインに統合できるようになったこと、SSHでGitリポジトリに接続できるようになったことが挙げられます。外部ツールなどでは認証が必要な場合、SSHのみサポートというところも珍しくありませんので、便利かと思います。例えばUnityのCloud Buildなんかがそうですね。

実際の連携の話をTFSUGで行うので、興味がある方はどうぞ。

tfsug.doorkeeper.jp

translate to Japanese toVSTS release notes from ht ...

Office 365 Groups Connectorを使ってVSTSと連携する

Office 365 Connector

Office 365のグループ機能には少し前からOffice 365 Group Connectorといって、外部のサービスからグループに投稿することができるようになりました。

dev.outlook.com

リリース当初は用意されていなかったのですが、いつの間にかVisual Studio Team Servicesとも連携できるようになっていました。ちょっとやってみましょう。

注意点

この作業はVSTSのService Hookの欄にもあり、一見VSTS側からもできるように見えますが、必ずOffice 365側から承認する必要があります。

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作り方

最初に事前にグループを作っておいてください。作ったら必要な人を招待しておきます。

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ConnectorからVisual Studio Team Servicesを選択して、追加します。

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アプリケーションを承認します。

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コネクタに使用するVSTSアカウント、テナント名、プロジェクト、EventType(ちなみに後で複数構成できます)、Work Itemの種類やイテレーションパスなどを選択できます。

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コネクタが構成されました。今回はWork Itemの追加のみにしましたが、不足していればAddボタンで任意に追加することが可能です。

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VSTS側で追加するとグループに投稿されました。

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同様にOutlookでも受けることが可能です。

まとめ

簡単にグループあての通知を作ることができました。

実はVSTSでもタスク変更やpull requestが発生したときにAlertメールを飛ばすことができるのですが、VSTS側のGUIで操作しないといけないということがちょっと面倒でした。Office 365 Group ConnectorならGraph APIを使って外部から一元管理することができます。

極端なことを言えばVSTSアカウントがない人を追加しておくと、進捗状況を見せたり、グループに投稿されたスレッドを別のアプリから吸い上げることでVSTSにアクセスすることなく、タスクボードを別途作りこんで、外部に公開するむことだってできそうです。

graph.microsoft.io

Microsoft Graph - ドキュメント - メンバーを追加する

Microsoft Graph - ドキュメント - スレッドを一覧表示する

de:code 2016 Day 2

昨日に引き続きde:code 2016 day2です。昨日の記事はたくさんの方に読んでいただいたようで、ありがとうございます。

Windows 10の展開

Windows 10のアップグレード無償期間がもうすぐ終わります。改めてWindows 10を展開するときの方法について。

  • インプレースアップグレード
  • プロビジョニング(新規展開)
  • ワイプ&ロード

今回は主にワイプ&ロードをご紹介。セッション担当はSamir Hammoudiさん。組織内で展開するにはワイプ&ロードが90%。残りがアップグレードとプロビジョニング。エディションはEnterprise 33%,LTSB 22%。残りがPro。結構意外な割合ですね。

家庭ではほとんどインプレースアップグレードだと思いますが、組織では不要なインストール済みファイルを消したい、アップグレード信用できないってのがそうですね。あと、今だと暗号化ソフト(BitLockerはインプレース対応しています)があるため、なかなかできない。

しかし、サードパーティーの暗号化ソフトでもアップグレード用のフィルタドライバをパッケージに追加しておけばいいんだそうだ。海外の著名なベンダー(Symantec,Mcafeeなど)は対応している。ドメスティックなやつは聞いたことないし作る気もないんかな。人を楽にするための工数なんか知ったことかという感じなんだろう。儲かるネタでもないし。この辺はDevOpsの話を聞いてもそうだけど、本当に考え方が違う。

ほかにもインプレースアップグレードできないパターンは知っている人も多いと思うけど、x86→x64とか、表示言語違い、BIOS→UEFIにする、デュアルブートとかの日本ではそうでもないけど、はまる人ははまりそうなパターンや、実際にワイプ&ロードするためのツールの紹介など、知っていたけど、ちゃんとまとめて教えてくれると今度やらざるを得ないときとかはネタになりそうです。

基本的な移行ならWindows ADKやMDT 2003といった無償ツールで可能だけど、知られていない。さらにはドキュメントやツールそのものが分かりにくいという点もあるのは難しい。Igniteとかではこの辺ちゃんとセッションやハンズオンがあるんだろうけど。

プロビジョニングに最適なシナリオとしては外出先のデバイス紛失時の復旧。VPN、Office、ドメイン参加、証明書といった情報を入れたイメージをクラウドサービスにおいておけばOK。セッション担当者もアフリカの砂漠のなかでUSBドライブ使ってプロビジョニングされたイメージを展開するというプロジェクトやっていたこともあって、非常に説得力ありました。

拝啓「変わらない開発現場」を嘆く皆様へ

事前に資料が出ていたので、非常に期待していたセッションの一つです。いわゆるエンタープライズ向けSI企業の開発にはぐさぐさささるだろうセッションでした。

de:codeではいろいろ新技術が語られますが、「今」現場で困っていることを解決するヒントみたいなものを与えてくれるセッションでした。テストの自動化もそうだし、開発の軽量化もそう。高速開発みたいな与太じゃないけど、個人的にはうーんと思うものもあるけど、根本は世界が変わっているんだからやり方も変えないといけない。単なる従来の延長で早くしよう早くしようと思っても無理。

欧米の人は非本質的なことを徹底的に排除するのが非常にうまい。牛尾さんのdevOpsセッション出ると、じゃあ「西洋文化をインストールしましょう」という話もあったんだけど、ここでは少し異なるスタンスでいいところをもらって融合させようと。

特に戦後日本人の気質がIT開発においては悪いほうにしか向かってないので、そこをなんとか軽量化していく。軽量化とは後戻りさせない、パートナーが作ったものをもう一度検査するようなことはしない。

設計書もコードが見えるような設計書じゃないとオフショアとかパートナーが書けないから書いちゃうというのは無駄。改善しようという話だったけど、そこを改善していくには低いレベルのままじゃダメで、まず開発者としての基礎体力(C#ちからでもVB力でもJava力でもなんでもいいんだけど)していかないといけないかなと。

発注側もそういうところを切っていくというかできるようにしていかないといけないけど、会社で契約した場合、だれが来ても「チェンジ」とかできないのは難しい。さらには契約によってはその人に教育を行うとかもできないしね。

PMもカンと度胸はだめ。すべて技術。基礎理論の前に背景を学べばそこに気づきができる。このツールがこういう思想になっている背景は何があるかということを無視してしまいがちですね。PMは作れる必要はないんだけど、今どきの開発手法とか知っておいてテストや設計にも技術があることを理解しておこうと。実際やっている人、どれくらいいるんだろう。ニュースサイトすら見ないという人も多そうだ。

最後

企業アプリケーションアーキテクチャのトレンドをつかめ

安定の森屋さん。基本的にはASP.NETで今どきのクラウドサービスを一気通貫でつなげで、クラウドサービスのみで本番までデプロイ、さらにはチーム開発の勘所みたいな話も行われました。

確かに「Dockerが流行っている」とは聞いてDocker個別の話はあちこちであるけど、一気通貫でみせないとピンとこない人にはこれが開発をどう変えるものなのか、ということが分かりにくいから、ちゃんとつながった状態で見せましょう、という話はそうだよなと。

ちなみにGitHub→DockerHub→CircleCI→Docker cloud→Azure/AWSへ同時デプロイなんて流れでデモを見せてくれました。今どきですね。

Xamarin.Forms Deep Dive

会社でXamarinを売れなくなったけど、コミュニティエヴァんじぇリストとして頑張っておられる田淵さん。Formsの基礎と、Alphaチャネルにしかないリアルタイムプレビューと、初めて見た人はくじけてしまいそうな(Alphaだし)不安定ぶりを見せつつ、Formsが業務でどんな感じで使えるのかというエッセンスをうまく説明してくれていたと思います。

今回はさらにEvolveで発表された動く仕様書(ドキュメントページに書いたコード片がそのままうごく)Workbooks,サーバサイドでJSONを作ればクライアントサイドでいい感じにバインディングしてくれて何も書かなくても画面ができちゃうDataPagesとかは初見ではびっくりしますよね。

DataPages - Xamarin

Xamarin Workbooks - Xamarin

この辺は発想と実装力に脱帽です。

エンプラ系Webアプリ開発に効く!実践的モダンWebアプリ開発の選択手法

JavaScriptライブラリの変遷ってホント早いですよね。今選んでも3年後にあるかどうかわからない。prototype.jsだって10年ほどしかたってないのに、影も形もないと言ったら失礼だけど、話題に全く上らない。

そんなOSS系を「今あるから」といって採用するのは確かにリスキー。そういうのを防ぐためには商用のサポートのある製品を買っておけばその範囲で面倒見てくれるのは正しい選択。

流行りのツール(gulp,TypeScript)なんかも別にすぐに使わなくてもいい、その前にまずは最初(ここではWeb開発初心者を前提にしている)がどうやって無理なく、今のWeb開発技術をうまく取り込み、さらには時流のツールを使えるようにするのか、という点で地に足がついた提案がいろいろ行われていました。

完全にクライアントサイドのJavaScriptだけで完結するのではなく、適宜サーバサイドもうまく使っていくのはVisual Studioの一貫した支援が受けられるツールセットならではですし、慣れた環境がそのまま使えるのも大きいので現実的。

もちろんJavascriptとASP.NET MVCで検証ロジックなどを二重開発しなくて済むようにもできるしね。

Web開発初心はHTML(5固有の機能ではなく)の開発で参照系の開発からやってみて、jQuery,Bootstrapだけを使ったアプリ作ってみて、徐々に新しいツールでステップアップしていこうというのは確かにそうだなと思います。私も何やっていいのかわからなくなることあるしw。

まとめ

今日はアーキテクチャと現実wの話を中心に聞いてみました。エッジなセッションは人気も高くてねぇ…いくつかみてみたい動画はあるので、なんとか見てみようかなと思います。

権利関係や大人の事情とかで公開されないセッションが少なくなりますように。