この記事はAzure DevOpsアドベントカレンダー25日目の記事です。
今年のアドベントカレンダーは多くの方に書いていただき、無事完走できました!参加していただいた方、読んでいただいた方、ありがとうございます。
2024年振り返り
今年は15回のリリースがあり、Boardsが10回、Reposが7回、Pipelinesが14回、Test Plansが5回、Artifactsが2回、Advanced Securityが11回、Wikiが1回、その他が7回でした。
Pipelinesがやはり多いですね。次がAdvanced Security, Boardsという順番でした。というか、4年音沙汰がなかったTest Plansにいきなり5回も更新が入ったのが驚きです。
毎回リリースノートの翻訳をやっていたわけですが、振り返って更新内容を見ていると、こんな感じでしょうか。
- 「やらなきゃいけないよね」という更新
- GitHubとの連携強化
- Advanced Securityの強化(GitHub追従含む)
こんなところでしょうか。
Boards
完全にGitHub連携の年でした。昨日のアドベントカレンダーでも触れられていますが、やっぱBoards便利なんですよ。しかもMicrosoftクラスの企業が提供する、この手のものにしては異様に安い。
なんといってもStakeholderならタダですよ…。これ見るだけって人も多いと思うし、そもそもこれ単独で使っても非常に便利です。競合というか私はJiraもGitHubも使っていますが、どれ使ってもそう思います。やっぱ全ての情報が関連づけられるのは大変便利ですし、そもそもBoards直接使わなくてもTeamsやPower BIで見たって構わないわけですし。
来年はいよいよ新しいHubがデフォルトになります。まだまだ旧boardsを使っている人多い様ですが、個人的にはデメリットがなかったのでまだ移行していなかったのかという感じですが、便利ですし、パフォーマンスもいいですしね。
Pipelines
Workload IdentityとManaged DevOps Poolの年でした。MDPは正確には製品グループ発祥ではないのですが(1ESというMicrosoft内部のエンジニアリングチーム発)。
Workload IdentityはService Principalで悩ましかったキーローテーションがなくなるのが大きいですね。その分、使わなくなったら消すこともお忘れなく。あとは定期的な更新であるエージェントの更新がUbuntu, macOSと重なったこともちょっと大変でした。来年はWindows Server 2025のエージェント更新があるでしょう。Visual Studio 2019に依存しているひとは要注意ですね。Windows Server 2025もおそらくVisual Studio 2022のみ?でしょうし。あ、そういえばVisual Studio 2025って出なかったんですね。
Pipelineエージェントが.NET 8で書かれたVer 4としてリリースされました。このバージョンからArm64版もリリースされたのでArm on Windows PCでも安心してエージェントが動かせます。同様にエージェントタスクがnode 20ベースになったので移行が必須になりました。ほかは着実に順当なメンテナンスのためのバージョンアップという感じですね。
Test Plans
最後に更新されたのが2020年で実に4年ぶりの更新です。GitHubにもない機能なので、改良して欲しいですね。とはいえ、基本的にChrome拡張機能のManifest V3対応は順当ですが、ビルドパイプラインとのシームレス統合はやっとという感じです。GUIの前のXAMLコントローラー時代はできたのですが。順調に投資してほしいものです。
GitHub Advanced Security
こちらもGitHubへの追従が多いですかね。サードパーティーのsarifサポートとか、シークレットの拡大とかAPIのエンドポイントとか、C#/Javaのビルドなしスキャンとか、セルフホストエージェントで事前にダウンロードしておかなくてもいいとか、CodeQLのカスタムクエリパックのサポートですね。細かい使い勝手が向上している印象です。エンタープライズで使われるものなので、着実な改善してほしいです。
2025年どうなる?
一応こちらにロードマップが公開されています。今までのペースでいけば、GitHubのような大きな機能は多くなく、着実にエンタープライズ向けに改良を続ける、GitHubとの連携を続ける、という感じかなと思っています。大きな隠し玉はあまりないような…。個人的に楽しみにしているのはこの辺です。
…あれ、少ない。多分1月になったらPublic roadmapが更新されるでしょう。
ここに載っていないけど、個人的に期待しているものとしては、GitHub Enterprise Cloud(EMU)とのorganization連携とかできるようになってもいいかなぁ、とは思っています。そもそも管理単位が結構違うのでEnterpriseのorganizationをまんまAzure DevOpsのOrganizationに割り当てるのもなかなか難しいものがありますが、実はひそかに期待していたりします。GitHub Copilotのシートアサインとか、Advanced Securityのライセンス相互運用とかできそうだし。
そんな妄想にふけりながらこのアドベントカレンダーを締めたいと思います。ありがとうございました。