自分用に作る場合、基本的に趣味100%でいいのだけれど、マス向けの商品となるとちょっと違う。ある程度は開発者の嗜好が反映されるけれど、どんなターゲットに、どんな用途で使われるかということを想定して製品企画があるはず。
しかし、「このソフトを使うことにしたから」と突然言われると往々にしてみんな不幸になることがある。もちろん、使うと決めた人も事情があるのだろうけれど。今日もそんな目に遭遇した…こちらがお願いする側なんだけれど。
使うと決めた人は誤解を恐れずに言ってしまえば、ソフトウェア開発、評価のプロではない。分析するのならば、動作プラットフォームの事も知っておかないといけないし、それ故に自動的に課せられる制限も知っていなくてはならない。
先進的なユーザと、平均的なユーザの間*1にある差をマーケティング用語でキャズムというそうだけれど、同じ会社内にいても、立場によってもちろんこの深く険しい溝が存在する。
開発側が「こんな方針でどう?」と言ったとすると、我々は自分達のワークフロー全体を正しく理解して、何が重要なのかしっかり認識して、方針に問題がある場合はだめだししないといけない。そのためには「薄く広く」知っておく必要がある。ここをうまく理解しようと努めないと、バカの壁(コミュニケーションを阻害する要因)になるのだろうか。
ちょうど川俣さんのWeb2.0本を買って少し読んだところ、「バカの壁」が紹介されていた。これもキャズムというよりはバカの壁といった方があっている、もしくは理解してもらいやすいかもしれない。「バカの壁」は未読なので、ちょっと読んでみよう。
最近、自分の重要な仕事の一つはこういったバカの壁を解消する…というよりは、「考え方*2が違うんだよ」という事を身内に説明することかな?なんて思いはじめてきた。

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