kkamegawa's weblog

Visual Studio,TFS,ALM,VSTS,DevOps関係のことについていろいろと書いていきます。Google Analyticsで解析を行っています

Visual Studio Team ServicesとChromeで未知のバグを発見する(15日目)

はじめに

テストケースだけでバグが検出できればいいのですが、そんな甘いものではなく、何気なく操作しているタイミングで出ることがよくあります。中には「神の手」を持つ方がいて、「この人が操作するときだけ起きる」というある意味素晴らしいバグハンターという方もいらっしゃいます。

特に開発時には無意識によけることもあり、こういうバグはテストケースでは救えません。どうするかといえば、「普段から記録しておけばいいんじゃね?」ということになります。

そういう操作を支援するのが「探索テスト(Exploratory testing)」機能です。ChromeのFeedback & test拡張機能および、Test Managerがサポートしています。

Chrome拡張機能

操作を記録する

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Test & Feedback拡張機能を起動して、左端の△をクリックすると記録を開始します。

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左端が赤枠の□になると記録開始です。以下の機能があります。

  • テスト中(クリックすると停止)
  • スクリーンショット
  • メモ
  • 動画
  • VSTS/TFSにタスク/バグ/テストパターンを作成
  • 操作タイムラインを見る
  • Work Itemにリンクする
  • デバイスに接続する
  • 設定
  • About画面

スクリーンショット&メモ

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画面に対するフィードバックをしたい場合、スクリーンショットを撮って、補足項目を文字入力します。

履歴

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操作した履歴やスクリーンショットが確認できます。

作業項目と関連付け

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特定の作業項目と関連付けておくことで、探索テストがどの作業に関連しているものかわかりやすくなります。

バグの作成

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画面に問題があったので、バグとして登録します。Create bugで新しいバグとして登録します。特定の手順で再現することがわかるバグであれば、Create test caseで新しいテストケースを作れば今後再現テストに役立ちます。

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バグ作成時、記録した操作及び、スクリーンショット、レスポンスの時間が全部記録されています(Chromeの機能でとっています)。

VSTSでのバグ確認

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作成したバグはチームのバックログに登録されて、すぐに確認できます。

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スクリーンショットが添付されているので、迷うことはありません。

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添付されているhtmlにはChromeの開発者ツールで見える、応答状態もhtmlとして記録されています。

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htmlをダウンロードして開くとこんな感じで確認できます。

Test Managerで探索テスト

Test Managerで起動する

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Test Managerを使っても同様のことができます。こちらはどちらかといえばリッチクライアントアプリで探索テストするときに使うといいでしょう。あと、マイクも使えるので、音声で「どんな操作をした」という記録も採取できるのがいい点です。

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探索テスト対象のビルドと環境に関連付けます。Test settingsやEnvironmentはSystem Center Virtual Machine Managerと連携した自動テストをするときに用意するので、ローカルテストの場合はデフォルトで構いません。

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開始すると、このようなウィンドウが出てきます。タスクバーと同様のウィンドウ領域に影響するウィンドウなので(これは画像編集で小さくしています)、クライアントエリア全体=フルスクリーンであると仮定するようなアプリはちょっと気を付けてください。

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記録が終了するとこのように探索テストの結果が記録されます。

記録の日数について

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Testの設定で保持日数の既定値が決まっています。長期間放置すると、VSTSが自動的に消してしまうので、注意しましょう。

まとめ

業務アプリであれば、普段から使って「あれここ変?」というような調査は難しいと思いますが、サービスや日常のアプリであれば、探索的テストを常時実行しておけば、ふとしたときでもバグが発生したときの操作記録が残るため、便利です。

特にChromeの拡張機能はとても便利ですね。VSTS/TFSにつながなくてもキャプチャや記録はとれるので、単独でも使いたい一品です。はやくEdgeやFirefoxにも(ry。

Visual Studio Team Servicesに接続して開発する(6日目)

ようやく今日からVisual Studioをつないで開発を行います。

Gitリポジトリ

まず、VSTSにGitリポジトリを作成してからVisual Studioで接続します。

初期化

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最初はこのような画面が表示されます。既存のローカルリポジトリがあればそれをpushしてもいいですが、最初にVSTSで作ってからクライアントにcloneすれば.gitignoreの手間が省けます。

一番下にあるor initialize with a README or gitignoreにあるinitializeをクリックすれば指定したgitignore形式で作ります。

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注意点として、C#やVB.NETという設定はなく、Visual Studioになっています。

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cloneするためのツールも多く対応しています。.NET開発以外にもPhpStormやRubyMineとかにも対応しています。

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(あまりないかもしれませんが)GitHubなどの外部リポジトリから引っ越すこともできます。Requires authorizationにチェックすると、非公開な認証が必要なリポジトリもインポートできます。

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VSTS側で初期化した直後の状態です。.gitigonoreなどがあるので、このままクローンしてください。

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リポジトリのメニューを開いて、リポジトリ名のそばにある☆をクリックすると、該当リポジトリがお気に入りとして扱われ、アクセスしやすくなります。ほかの人が作ったリポジトリに素早くアクセスする場合に使ってください。

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一つのチームプロジェクトには複数(上限は非公表)のGitリポジトリを作ることができます。ビルドツールチェインはリポジトリ単位になるので、ある程度は分割したほうが便利でしょう。この辺はほかのGitサービスと考え方は変わらないはずです。

Gitセキュリティ設定

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歯車アイコンから、Securityハブを使用して、チームプロジェクトにアクセスできるユーザーもしくはグループを設定します。コードの編集権を付けるにはContributorsグループに追加します。

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チームプロジェクト内のリポジトリごとに設定することもできます。

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特定のブランチ(通常masterやリリース用のブランチ)にむやみやたらにpushされて、ビルドが通らなくなるというのはよくあることです。

そのような事故を防ぐためにブランチ単位でブランチポリシーという機能を使って、レビューやCIおよび、テストが通っていないコミットを拒否することができます。

まだビルドがないので、上記の画面ではビルドの指定ができていません(^^;。Require a new build if older than xx hoursというのは、Gitでは細かい単位でコミットを行うこともあります。

単なるtypoやCSSの色修正でビルドやテストを全部やっていたら時間がいくらあっても足りません。そこで、直近xx時間以内のビルドは許容する、という指定です。開発が活発になって、しょっちゅうコミットするような状態になったら検討したほうがいいでしょう。

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ブランチポリシーでレビュワーの指定ができます。この人(たち)がレビューしないとマージが行われません。

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ブランチの…をクリックすると、既定ブランチにするか、ブランチを誤って削除できないようにします。devとかpull request作った後も残っていてほしいブランチは指定するといいでしょう。

ブランチと作業項目を関連付ける

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ブランチはfeature,Backlog, Taskのいずれでも作成できます。機能レベルであれば、Backlogあたりで作るのがいいかもしれません。この辺りはいろいろ試行錯誤してルールを作ってみてください。タスクやissue単位でブランチを作るのもいいでしょう。

ブランチ名は / で区切ると階層になります。ここでは「チーム/backlog/id」というルールで切ってみました。こうするとブランチ名が何に関連づいているかわかりやすいでしょう。

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タスクに着手したので、タスクをIn Progressに変更します。

Visual StudioからVSTSへ接続する

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チームエクスプローラーから「接続の管理」を使用して「チームプロジェクトへ接続」をクリックします。なお、VSTSがサポートするVisual StudioはVS 2008 SP1 GDR1を適用したもの以降だそうです。

www.visualstudio.com

とはいえ、CIツールとして使う場合、Visual Studio 2013以降じゃないと、新しいビルドツールがサポートしていないとかいろいろ困ると思います。さらに、チームプロジェクトのリポジトリをGitで作った場合、サポートされるのはVisual Studio 2015 Update 1以降となっていますので、本当に使おうと思った場合、Visual Studio 2015 Update3を検討してください。

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さて、接続しましょう。ここもTeam Foundation Serverと書いていますが、気にせず「追加」をクリックします。なお、Visual Studio 2017ではこのUIがまた少し変わっています。

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接続するサーバーを追加するので「サーバー」をクリックします。

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VSTSにつなぐ場合、アカウント名.visualstudio.comを指定して、OKをクリックします。

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接続に使うアカウント名を選択します。

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追加されましたので、「閉じる」をクリックします。

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接続するチームプロジェクトを選択します。ちなみにVisual Studio 2017ではここでGitとTFVCの選択がやりやすくなっていますが、VS2015ではTFVCが優先されるようなUIです。

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接続すると、複製(git clone)します。基本的に作成したリポジトリのクローンを先に行ってください。

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複製先のフォルダを指定します。既定値はDocumentsフォルダのRepsの下に作成となっていますが、昨今のJavaScriptライブラリをcloneすると、ファイル名が簡単に260バイト超えてしまいます。

こんな風にc:\とかに短いフォルダを作成して、その下にcloneしましょう。

Gitの設定

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チームプロジェクト内にある、Gitの設定を行っておきましょう。グローバル設定(全Gitリポジトリに共通)と、リポジトリの設定(リポジトリ毎)の二種類があります。リポジトリの設定はVSTSでリポジトリを初期化するとVisual Studioに最適化されたGit設定(.gitignore)がダウンロードされているので、設定する必要はありません。

Gitのグローバル設定ではメールアドレスと、氏名だけは必ず設定しておきましょう。何も設定しないとWindowsのログオンアカウントが使用されてしまいます。

プロジェクトを作成する

git clone後、いよいよVisual Studioで作成します。

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.NET のWebアプリケーションを作ります。

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.NET Coreでやってみます。

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Application Insightsも構成してみます。

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App Serviceを設定して、完成。

まとめ

ようやく開発らしいところになりました。ここから先、ようやく開発関係の機能紹介を行います。

Visual Studio 2017 RCの再インストールが必ず失敗する場合の対処

※:RC版の話なので、正式版では直っている可能性があります。

ちょっとした事情でVisual Studio 2017 RCを削除したのですが、問題が解決したので、再インストールしようとしたところ、こんなエラーが出て、どうしても実行できません。

[3874:0021][2016-11-23T06:57:22] Error 0x80131509: 場所 Microsoft.VisualStudio.Setup.Engine.VerifyInstallationPath(IServiceProvider services, String installationPath, IInstance instance, IQuery query) 場所 Microsoft.VisualStudio.Setup.Engine.Install(Product product, String destination, CancellationToken token)指定されたインスタンス 'aa78a46b' を、既存のインスタンス 'f90d13a0' と同じ場所または子ディレクトリにインストールすることはできません。

シングルクォートで囲まれた部分は環境によって変わります。なんだこれ、と思ったのですが、フィードバックで報告しようと思ったら、すでに答えがありました。

  1. インストーラーを終了(しばらく待つ)
  2. C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio\2017 をさっくり削除
  3. C:\ProgramData\Microsoft\VisualStudio\Packages_Instances にある、ログに出力されているフォルダ(今回の場合は'f90d13a0')を削除

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探すとこういうフォルダができているはずです。このフォルダで判定しているようですね。

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で、こういう問題に当たった時、インストーラーの右上の吹き出しから「提案の送信」か「問題の報告」をクリックします。

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フィードバッククライアントが表示されるので、適当にありそうな用語を「英語で」検索します。今回の場合はインスタンスというエラーが出ているので、Instanceで探してみます。

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すると、こんな風に関連しそうなQ&Aが出てきます。今回の場合はここで解決策も見つかったのでそれが上の手順になります。たいていすでに報告済みな現象だと思いますので、まずは探してみてください。英語じゃないと出てこないのが若干ハードル高いかもしれませんが…。

Visual Studio "15"の目につく新機能

はじめに

blogs.msdn.microsoft.com

Visual Studio "15" Preview 5が公開されました。今回から軽量インストーラーも日本語UIになっていますね。

ロードテストがソリューション読み込まなくても使用可能に

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Visual Studio 2015ではなぜかソリューションを読み込まないとできなかったロードテストですが、ソリューションを読み込まなくてもロードテストができるようになりました。

フォルダからソリューションを作成

今までプロジェクトファイルやソースだけ送付されるということがあって、そこからソリューションを作るのが面倒でした。そういう声に対応したのか、Visual Studio "15"の新機能にフォルダをプロジェクトとして開くという機能があるからなのか知りませんが、ウィザードが追加されました。

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C++とVB.NET/C#で分かれます。

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C++を選ぶと、こんな風にあらかじめ登録されているC++用の拡張子のファイルを自由に追加できます。

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VB.NETやC#の場合はこんな感じでフォルダをざっくりプロジェクトに変換できます。出力先はクラスライブラリかコンソール、GUIアプリになります。残念ながらWebアプリは選択肢にありません。

チームプロジェクトのUI変更

ここはちょっと罠というか、バグっぽい挙動するので気を付けてください。報告しようとは思っています。

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チームエクスプローラーから接続を実行すると、こんな風にUIが変わっています。一つのチームプロジェクトにはTFVCを一つとGitリポジトリを複数作れることはご存知でしょう。

OSSProjectsというチームプロジェクトにはCCFinderXとOSSProjectsというTFVCがあります(実際にはTFVCリポジトリは作ってないのですが内部的に予約されているのでしょう)。

ここで、GitのCCFinderXを選択します。

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複製のターゲットはチームエクスプローラーの「設定」にあるGitの既定のルートフォルダになります。ここで、別のVisual StudioやGitクライアントなどですでにリポジトリをクローンしている場合、このままマップしてしまうと正しくチームプロジェクトとGitリポジトリが管理されません。

表示上もGitリポジトリではなく、チームプロジェクトに接続しているような状態になります(ちょっとコピー取り忘れたので後で追加します)。

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ただしくクローンしたフォルダを選択してください。

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リポジトリとチームがうまく関連づきます。もしも、間違って既定のフォルダをマップしてしまった場合、ローカルGitリポジトリを開けばVisual Studioはうまく認識してくれます。

VSTS/TFSのタスク編集がWebへ

TFS 15では旧来のタスク画面とVSTSの新しいタスク入力フォームを切り替えて使うことができます。管理者が新しいフォームの使用を許可しなければ、従来のフォームを使い続けます。

そういうこともあって、Visual Studioからタスクやプロダクトバックログを作ろうとすると、チームのWebに飛ばされるようになりました。

この辺のUIはどんどん変わっているので、このほうがいいんでしょうね。