はじめに
Azure Boardsのカンバンを標準のまま使ってもいいのですが、多くのバックログを管理するとか、もうちょっとこう言う感じで使いたいなと思うときがあると思います。カンバンの設定を使えばより便利になります。
初期状態
カンバンを一か所以外特にいじっていない状態です。右上の歯車アイコンをクリックすれば詳細設定画面が表示されます。歯車の隣のアイコンはカンバンを全画面表示させます。モニターとかに出してみんなで見るときに便利です。
Fields
たくさん並んでいますが、最初はFields設定です。私は必ずShow ID
にチェックを付けてます。これでバックログにタスクのIDが表示されるようになります。バックログ、Bugそれぞれに同じ設定があるので、BugのShow ID
もチェックします。私は作業用のブランチをこのIDで作っているので、ブランチとも結びついています。
Field
は表示させたいField(例えばArea Path
など)を追加すると、カードに追加表示されます。また、追加したFieldはカード上で直接編集ができるようになります。
個人的なおすすめとしてはWork Itemをカスタマイズして、Due Date
(対応期日)を記入させるようにしておいて、このボード上に表示させておけば期日からどのくらい遅れているのかわかりやすくなります。
後述する色変える機能でも似たことはできます。
Styleでカードの色を変える
これはちゃんと覚えておくと非常に便利だと思います。カンバン上のカードの色を特定のルールに基づいて変更します。カンバンを毎日見ていれば気づくかもしれませんが、あまりに多いと「これちゃんとやってたっけ?」と見落としてしまうこともあります。管理職が「Excelで状態が変わった一覧がほしい」とかいうのがこの辺の理由ですね。
そういう時、Styleでカンバンのカードの色が変わるルールを作っておきます。Rule criteria
に変更するルールを指定して、Styling
に色、書式を指定します。
ここではChanged Date
に@Today - 7
未満を指定しているので、「今日から7日前以上に変更した」(つまり7日以上何も動いていない)タスクをえんじ色背景、白抜き文字で表示させます。
すると、条件に一致するタスクがこんな風に変わります。@Today
などの値はWIQLと同じマクロが使えるので参考にしてください。
タグの色付け
Work Itemにタグを活用している方は便利だと思います。タグで色付けしてるとわかりやすいですね。
カンバンに列を追加する
ScrumやAgileのテンプレートで作った場合、4列のカンバンができます。ただ、会社のプロセスによってはもう一段階増やしたい、ということもよくあります。
そういう時はColumn
で列を増やせます。また、既定では一つの列に格納可能なWIP Limit
(WIP=Work In Progress)は5までですが、チームによってはここを変更させることで上下可能になります。
「WIPが5しか入らないから列を増やせばいいんだ!」とかにはならないようにしてください。また、なんでもかんでもApprovedに突っ込めるようにWIPの値を大きくするようなプロジェクトはたぶん終わってます。充分な経験のあるコーチの指導を受けたほうがいいと思います。
参考までに、GitHubのProjectではルールに基づいてこの列の間をバックログが移動しますが、Azure DevOpsの場合Doneへの移行以外は自動移行しません。
GitHub Projectの場合、既定ではルールで移行するので、逆に4列以上増やすのが難しいです。列に関してはやたらと増やしても混乱するだけなので、最初はいじらないほうがいいでしょう。
しかし、列は増やしたくないけど、受け入れ前後を区別したい、という要求があると思います。そんな時はSplit column into doing and done
をチェックします。
Approvedにチェックしたので、Approved
がさらにDoing
とDone
に分割されました。例えば仕様のレクチャーを受けているときはDoing、レクチャーが終わったら(Approvedの)Doneに移行させる、という運用をすればプロダクトオーナーと開発者の齟齬がなくなることが期待できます。
同様にCommitedでも開発者が開発中、開発が終わった(受け入れ待ち)時もCommited列のSplit column into doing and done
をチェックして分割すれば今受け入れ中なのかどうかわかりやすくなります。
たくさんあるバックログをグループ化したい
結構大きいチームだけど、一つのカンバンで見たい、でもごちゃごちゃして大変…という場合があります。そんな時はSwimlanes
(プールなんかでコースを区切ってるあれ)を使います。
上の+をクリックすると、レーンの追加ができます。好きな名前でいいですが、グループ化したいようなまとまりがわかる名前がいいでしょう。
作成すると、カンバンがこんな風にSwimlanesで分割されます。作る場合のわかりやすい例としてはこんな感じでしょうか。
- Area Path単位に分割する
- ビジネスインパクトが高いものを分割する
- 遅れ気味のものを分割する
カンバンのレベルを追加する
Backlogs
の設定でカンバンに表示させたい管理レベルを選択できます。これはScrumテンプレートなので、Epic, Features, Backlog Itemsの三段階で初期状態はBacklog Itemsのみです。
Featuresもカンバンで見たい場合はFeatures
にチェックを付けます。
するとこんな風にカンバンの管理レベルを切り替えられます。
初期状態でも十分使えるAzure Boardsですが、さらに設定を工夫すればもっと使いやすくなるので、ぜひ活用してみてください。