kkamegawa's weblog

Visual Studio,TFS,ALM,VSTS,DevOps関係のことについていろいろと書いていきます。Google Analyticsで解析を行っています

Python 2.7.xをWindowsでビルドする

たまにしかやらないので、忘れてしまうから自分用にメモ。

(2017/9/28)Python2.7.14用に更新

必要なもの

  • Visual Studio 2008
  • Active Perl
  • TortoiseSVN(コマンドラインツールも必ずインストールします)
  • Git for Windows 2.10 (XP/2003をサポートする最後のGitのため)

OSはVisual Studio 2008がサポートされているものならいいはずです。XP世代のOSを使おうとすると、Active PerlとかTortoiseSVNは一世代以上古いものを入手する必要があります。64bit版のPythonをビルドする場合、ビルド後イベントで生成したPythonを実行するため、64bit OSを使うほうがいいでしょう。

MSがPython 2.7の拡張機能をビルドするために配布しているVisual C++ 2008コンパイラをPython自身のビルドに使えるかどうかはわかりません。

Download Microsoft Visual C++ Compiler for Python 2.7 from Official Microsoft Download Center

Gitインストール(9/28追記)

Pythonはいくつか外部のソース(OpenSSLやbzipなど)に依存しています。これらのソースコードはGitレポジトリで管理されているため、Git for Windowsをインストールします。

XP/2003を使ってビルドする場合、Git for Windows 2.10が最終版なので、これを使いましょう。もちろん最新版に比べてセキュリティの問題が多く入っているバージョンなので、使用時には気を付けて。

ソース入手

公式からダウンロードします。

www.python.org

注意点として、Pythonが依存している外部ライブラリ(OpenSSL,SQLiteなど)は含まれていません。ダウンロードにGitを使うようになったので、前述の手順で入れておきましょう。

ソースを展開してできた、Python-2.7.xxフォルダの下にPCBuildフォルダがあります。そのなかにget_externals.batというバッチファイルがあるので、実行します。依存しているライブラリのソースコードをSVN経由でとってきます。なので、TotoiseSVNインストール時にコマンドラインツールも必ず入れてください。

ビルド

Pythoon-2.7.xx\PCの下にVC6とかVC7.1とかあります。VS2008の場合、VS9.0フォルダに移動して、コマンドプロンプトからbuild.batを実行するだけです。標準ではWin32のReleaseビルドがVS9.0フォルダ内に生成されます。オプションをいくつか指定できます。

-c Debug:デバッグ版Pythonが生成されます
-p x64:64bit版Pythonが生成されます(32bit OSでもビルドできますが、最後にPython自身が実行できなくてエラーになります)
-t Rebuild:クリーンビルドします
-d -c Debugと同じ意味です
-e ビルド時にget_externals.batを自動的に実行して、依存しているライブラリをダウンロードします
-k 何らかのサービスなどでPythonをバックグラウンドで実行している場合、自動的に終了させます。

注意点として、DebugとReleaseで異なるフォルダに出力する、ということはやっていないようです。大体ファイル名が違う(デバッグ版は_dがつく)ので区別はできますが、後の作業がめんどくさいので、ビルド前にVS9.0フォルダもしくはamd64フォルダを複製しておくといいと思います。

Visual Studio Team ServiceのLibrary機能で複数の値を一括管理する(28日目)

はじめに

ユーザーIDやパスワードをリリース定義のスクリプトに埋め込まず、外部に定義したいことはよくあります。そういう時、Release ManagementではVariableに設定することで、複数のリリース環境に同じ値を使えます。

そういう時、関連した値をひとまとめに管理したいという要求もよくあります。まだリリースノートが出ていない機能ですが、Libraryはそういう時に役立ちます。

作成

f:id:kkamegawa:20170104070641p:plain

LibraryからAdd variable groupをクリックして、新規のグループを作成します。ユーザーとパスワード、DBへの接続文字列のように関連する値をグループとして管理しましょう。

f:id:kkamegawa:20170104070642p:plain

グループ名と、説明、追加したい名前と値を指定します。パスワードのように表示したくない場合は右端の鍵アイコンをクリックすれば秘密文字列として表示されません。

参照する

f:id:kkamegawa:20170104070643p:plain

リリース定義のVariablesにLink variable groupがあるので、クリックします。

f:id:kkamegawa:20170104070644p:plain

作成したVariable groupが表示されているので、Linkをクリックします。

f:id:kkamegawa:20170104070645p:plain

作成したVariable groupをリリース定義から参照可能になっています。もちろん、Variable groupは履歴管理されていて、誰が編集したか確認できます。

まとめ

関連する複数の値を外だしで一括管理できる新機能Libraryを紹介しました。便利だとは思うのですが、どうせならBuildとReleaseで共通に受け渡しできるといいなと思います。環境変数とかでBuildとReleaseで値を受け渡しできればいいのですが、今の所どうもできないようです。

この辺は将来に期待ですかね。

2016年振り返り

関西方面の生活もだいぶ慣れてきましたが、予想以上に東京行かないですね…。もうちょっと機会があるかなと思ったのですが。来年のde:codeはたぶん行けると思うので、その時はよろしゅうに。

今年は一人アドベントカレンダーなぞやってしまってかなり死ぬかと思いました…。ブログのPV的には昨年比30%くらい伸びたのでびっくりしてます(ネタとしてはニッチなんですが)。Bash on Windowsの話という、一つどかんとでっかい山がありましたが、それを除いても全般的に伸びたようです。

ぼちぼちはじめたVSTSのリリースノート翻訳もわりといいブログの更新ネタになっています。世間様というか自分に役立つネタとしてNuGetパッケージを公開したのもいい勉強になりました。これらのNuGetパッケージは別のOSSを公開するための下準備として作ったものなんですが、アドベントカレンダーやってたおかげで、そちらに時間が取れなくて困ったものです。

アドベントカレンダーネタはもう少し残っているので、次のVSTSのスプリントが公開される前に(もうすでになんか新機能が細々と公開されているようだけど)やり切りたいなと思っています。

延び延びになっていた本をなんとかTFSUGのみんなで出せてよかったです。

アジャイルでやってみた。ウォーターフォールしか知らなかった僕らSIerのスクラム日記

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この都合もあって、しばらく登壇とかありませんでしたが、1月末にぶりしゃぶ食べに…もとい、Hokuriku.netでお話しさせていただきます。今回はちょっと趣向を変えてみようかなと思っています(準備が大変だけど)。

toyama-eng.connpass.com

執筆やイベントは時間の都合がつく限りお受けいたします。

来年はXamarinでアプリ作ることと、伸ばしていたOSSの公開をやろうかなと…できれば3月までに。ではよいお年を!&来年もよろしくお願いします。

追記。今年読まれた記事TOP10。BoW強いですね。

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ICU4C 58.2のNuGetパッケージ公開

www.nuget.org

年の瀬ですが、一人アドベントカレンダー書いていて全く手を付けられなかったICU4C 58.2に対応したNuGetパッケージを公開しました。

ソースというか、パッケージはGitHubで公開しています。57_1のパッケージに含まれるバイナリはICU4C_571というブランチをクローンしてもらえればとってこれます。58.2は現時点のmasterかICU4C_582というブランチになっています。今後もこうしていこうかな、と思っています。

github.com

今回、公式ではx64版しか公開しないよう(?)ですが、別にビルド定義が消えているわけではないようなので、私のほうでx86版をビルドして同梱しています。したがって、x64のライブラリおよび、ランタイムは公式版そのままですが、x86に関してはテストしてないので、気を付けてください。

これを公開することが目的ではなくて、別のオープンソースの公開のためなのですが、それが全くできてません。冬休み中に何とか…。